時を忘れる空間
2008.06.02 Monday
「時が経つのを忘れる場所は?」「何もせずに、ただ周りの空気に身を委ねていたい空間は?」
何時間でも過ごしたくなる場所との出会いは、いつまでも記憶の中に鮮明に刻まれていると思いますが、皆さんはどのような場所で経験されましたでしょうか?
先日、機会があり大阪の四天王寺を訪ねた際に、実に見事な空間に出会うことが出来ました。
午前中に所用を終わらせ、午後3時に四天王寺に到着。仁王門、五重塔、金堂、講堂を見学し、回廊をゆっくりと歩いて周っていた途中、東南の角から北の方角に延びる回廊の光景を目にしたときに、水を打ったように心が落ち着いていきました。長い回廊に西日が差し、実に美しい「光と影」の文字通り「光景」に出会えました。思わず座り込み、刻一刻と変わり行く、「眺め」を存分に味わうことが出来ました。聖徳太子が四天王寺の建立時に、ここまで計算しつくしていたかどうか定かではありませんが、どこかでこんな空間を目にしたことがある!と感じ、「光と影の紡ぎだす光景」の記憶を辿ってみたもののなかなか思い出すことが出来ず、諦めかけていたその瞬間、「腰を下ろしたくなる空間」をキーワードに記憶を手繰って行ったところ、強烈に印象に残っている空間を思い出しました。
それは、スペインのCordobaにあるMEZQUITA(メスキータ)でした。
ヨーロッパとイスラムの建築様式が融合して造り上げられた「赤と白のストライプに彩られたアーチ」が幾重にも見え、そこに足を踏み入れた瞬間「この空間にいつまでも…」という気持ちが沸々と湧いてきて、思わず椅子に座り、心ゆくまでその光景を堪能しました。
「光」「影」「色彩」、それぞれが主役を務める「光景」に沖縄でも出会うことが出来ます。縁側の張り出した沖縄の古民家では、居間から見える眺めの中に、降り注ぐ太陽の光、緑色に輝くアダンやユウナ、深紅のハイビスカスやアダンの花、そして縁側や木陰が創り出す心地よい日陰。南の島ならではの趣のある「光」「影」「色彩」が織り成すコントラストです。
Piccolo Tailのゲストルームについても、お部屋の中からの太陽の光・空・海・ユウナの緑を、「縁側の日陰」が作り出す絶妙なコントラストとともに味わって頂くために、ベランダと日よけの張り出しを大きめに設計し、ベランダの床面にもテラコッタのタイルを敷き詰めました。
南の島の日差しから生まれる「光」「影」「色彩」のコントラストを、ゲストルームからお楽しみ頂き、「時を忘れる」場所のひとつとしてゲストの皆さんの記憶に残して頂くことが出来れば嬉しい限りです。

